ネル・ハーパー・リー(Nelle Harper Lee, 1926年4月28日 - 2016年2月19日)は、アメリカの女性小説家。『アラバマ物語』(原題:To Kill a Mockingbird)で知られる。また、この物語の続編である『Go Set a Watchman』(さあ、見張りを立てよ)が2015年に米国で出版された 。

経歴

ハーパー・リーはアラバマ州モンローヴィルで生まれた。彼女が4歳の夏にトルーマン・カポーティと交流するようになる。アラバマ大学で法律を学び、次にイギリスのオックスフォード大学に一年間留学した。

その後ニューヨークで航空会社の予約係として働き自活したが、作家として身を立てようと決心して仕事を辞め、アメリカ南部の生活に関する一連の短編小説を書いた。編集者らの励ましを受けた彼女は、それら短編をもとに『アラバマ物語』を書き上げた。1960年に出版されたこの作品はベストセラーとなり、1961年にはフィクション部門でピューリッツァー賞を受賞した。1963年には映画化され、主演のグレゴリー・ペックが主演男優賞を獲得するなど三部門でアカデミー賞に輝いた。

60年代中頃に、リーはカポーティと共に彼の小説『冷血』の取材助手として旅行した。カポーティは同作品を彼女に献呈した。当時のカポーティを描いた2005年の映画『カポーティ』では、キャサリン・キーナー演じるリーが登場し、『アラバマ物語』が映画化されたくだりも描かれる。

『アラバマ物語』以後リーは、少数の短いエッセイを除き、作品を上梓しなかった。公の場にもほとんど姿を現さなかったため、新たな作品に取り組んでいるとの憶測も(他のアメリカ人作家でいえばJ・D・サリンジャーやラルフ・エリソンと同様に)されていた。チャールズ・J・シールズによる「『アラバマ物語』を紡いだ作家 (MOCKINGBIRD A PORTRAIT OF HARPER LEE)」(柏書房)という評伝も2014年に翻訳された。

2007年11月、81歳のリーはその文化的貢献に対してジョージ・W・ブッシュ大統領から大統領自由勲章を授与され、ホワイトハウスでの式典に姿を見せた。

2016年2月19日、モンローヴィルで死去。89歳没。

彼女の死後に、姉の許可を得て『To Kill a Mockingbird』(『アラバマ物語』)の続編にあたる『Go Set a Watchman』(『さあ、見張りを立てよ』)が2015年に出版されたが、その評判は芳しくなかった。

脚注

注釈

出典

参考文献

  • チャールズ・J・シールズ 著、野沢佳織 訳『『アラバマ物語』を紡いだ作家』柏書房、2014年2月10日。ISBN 978-4-7601-4337-5。 NCID BB1466699X。 

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Харпер Ли Фото Telegraph

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作家ハーパー・リーの「アラバマ物語」続編が前作から55年ぶりに出版!|シネマトゥデイ