スポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガル(Sporting Clube de Portugal ComC MHIH OM ポルトガル語発音: [ˈspɔɾtĩɡ(ɨ) ˈkluβ(ɨ) ðɨ puɾtuˈɣaɫ] Euronext: SCP )は、ポルトガル・リスボンに拠点を置くクラブ。単にスポルティング(Sporting)、スポルティングCP(Sporting CP、スポルティング セーペー)として知られる。

ポルトガル国外ではスポルティング・リスボン(Sporting Lisbon)の名で広く知られているが、クラブ自身はこの名称を「単なる誤解」であり「正したい」と述べている。

首都リスボンに本拠地を置きプロサッカークラブを保有、陸上競技選手を育成する。この項では主にフットボールクラブについて記述。

概要

ポルトガルサッカー界において1940年代から1950年代にかけて国内タイトルを数多く獲得し、FCポルト、SLベンフィカとともにトレス・グランデスと呼ばれる。

ユースアカデミーからはパウロ・フットレ、ルイス・フィーゴ、シモン・サブローザ、リカルド・クアレスマ、クリスティアーノ・ロナウド、ナニらを輩出してきた。

最大のライバルは同じリスボンを本拠地とするSLベンフィカ。この2チームの対戦はオ・デルビー・デ・リスボア(リスボン・ダービー)と言われ、クラシコと見なされている。またポルトガルの3強の一角を占めるFCポルトともライバル関係にあり、ポルトガルで3番目に人気のクラブである。

歴史

スポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガルの正式な創設年月日は1906年7月1日だが、前身とも言うべき2つのクラブの存在があった。

1902年、シントラの避暑地ベーラスで休暇中だった上流階級の人々によってスポート・クラブ・デ・ベーラス (Sport Club de Belas) が創設された。同クラブはわずか1試合を行ったのみで休暇状態に入ったが、リスボンに帰ったメンバー達は1904年にカンポ・グランデ地区でカンポ・グランデ・フットボール・クラブ (Campo Grande Football Club) を改めて創設した。しかし1906年にクラブで内部分裂が起き、その際の脱退者らが創設したクラブがスポルティングである。

ジョゼ・オルトレマン・ロケッテ(ジョゼ・アルバラーデ)は、祖父から資金と土地の援助を受けてスポルティングの創設を助け、初代会長を務めた。スポルティングの本拠地エスタディオ・ジョゼ・アルバラーデの名は彼に因む。

1938年にはポルトガルでも全国規模のリーグ戦が開始された。スポルティングは1940年代から1950年代にかけて最初の黄金期を迎え、この20年で10回の優勝を果たした。1940年代後半のフェルナンド・ペイロテオら5人によって構成された攻撃陣は「5人のヴァイオリン弾き (Cinco Violinos)」と譬えられた。

1963-64シーズンにはクラブにとって唯一のヨーロッパタイトルであるUEFAカップウィナーズカップを獲得した。決勝のMTKブダペストとの試合は延長戦でも勝負がつかず、翌々日の再試合に勝った末の優勝だった。2004-05シーズンのUEFAカップでは決勝に進出したがロシアのCSKAモスクワに敗れた。

2018年4月にはヨーロッパリーグ準々決勝・アトレティコ・マドリード戦での敗戦によりブルーノ・デ・カルバリョ会長がFacebook上で個々の選手を批判する内容の投稿をした。翌日、キャプテンのルイ・パトリシオやウィリアム・カルバリョなど19人の選手がインスタグラムに共同声明を投稿。「我々は、チームのために必死にプレーしているが、リーダーからの支援が欠けている」と、会長に対して反論する事態になり、これに激怒したデ・カルバリョ会長は、フェイスブック上で「我慢の限界だ。このメッセージに署名した選手は、即刻出場停止にする」と、主力選手への処分を発表。結局ジョルジェ・ジェズス監督が会長と話し合った結果、選手の出場停止処分は取り下げられた 。

2018年5月、フーリガン約50人が練習場を襲撃し、選手やスタッフを襲撃する事件が発生した。これによりバス・ドストらが負傷した。また、この事件の影響により、主力選手やユースから所属していたルイ・パトリシオ、ウィリアム・カルヴァーリョ、ジェルソン・マルティンスら主力選手やユースから所属していた選手が退団した。

2020年、有望な若手監督と目されていたルベン・アモリムを、SCブラガから高額の違約金を支払って獲得。初年度からチームの期待に応え、2020-21シーズンでは19年ぶりにプリメイラ・リーガ優勝を果たした。

タイトル

国内タイトル

  • プリメイラ・リーガ:20回
    • 1940-41, 1943-42, 1946-47, 1947-48, 1948-49, 1950-51, 1951-52, 1952-53, 1953-54, 1957-58, 1961-62, 1965-66, 1969-70, 1973-74, 1979-80, 1981-82, 1999-00, 2001-02, 2020-21, 2023-24
  • タッサ・デ・ポルトガル:17回
    • 1940-41, 1944-45, 1945-46, 1947-48, 1953-54, 1962-63, 1970-71, 1972-73, 1973-74, 1977-78, 1981-82, 1994-95, 2001-02, 2006-07, 2007-08, 2014-15, 2018-19
  • タッサ・ダ・リーガ:4回
    • 2017-18, 2018-19, 2020-21, 2021-22
  • スーペルタッサ・カンディド・デ・オリベイラ:9回
    • 1982, 1987, 1995, 2000, 2002, 2007, 2008, 2015, 2021

国際タイトル

  • UEFAカップウィナーズカップ:1回
    • 1963-64

過去の成績

現所属メンバー

2025年3月6日現在

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

※括弧内の国旗はその他の保有国籍を、星印はEU圏外選手を示す。

監督
  • ルイ・ボルヘス

ローン移籍

in

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

out

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。


歴代監督

  • イェニー・ルドルフ 1933-1934
  • オットー・グロリア 1961, 1965-1966
  • アルフレド・ディ・ステファノ 1974
  • ジョゼフ・ベングロシュ 1983-1984
  • ジョン・トシャック 1984-1985
  • キース・バーキンショー 1987-1988
  • ボビー・ロブソン 1992-1994
  • カルロス・ケイロス 1994-1996
  • オクタビオ・マチャド 1996-1997
  • ジュゼッペ・マテラッツィ 1999
  • ラースロー・ベレニ 2000-2003
  • フェルナンド・サントス 2003-2004
  • ジョゼ・ペセイロ 2004-2005
  • パウロ・ベント 2005-2009
  • レオネル・ポンテス 2009 (暫定)
  • カルロス・カルヴァリャル 2009-2010
  • パウロ・セルジオ 2010-2011
  • ジョゼ・コウセイロ 2011
  • ドミンゴス・パシエンシア 2011-2012
  • リカルド・サ・ピント 2012
  • オセアノ・ダ・クルス 2012 (暫定)
  • フランキー・ベルコーテレン 2012-2013
  • ジェズアウド・フェレイラ 2013
  • レオナルド・ジャルディム 2013-2014
  • マルコ・シウバ 2014-2015
  • ジョルジェ・ジェズス 2015-2018
  • シニシャ・ミハイロヴィチ 2018
  • ジョゼ・ペセイロ 2018
  • マルセル・カイザー 2018-2019
  • レオネル・ポンテス 2019
  • シーラス 2019-2020
  • ルーベン・アモリム 2020-2024
  • ジョアン・ペレイラ 2024
  • ルイ・ボルヘス 2024-

歴代所属選手

GK

  • ロドルフォ・ロドリゲス
  • ピーター・シュマイケル
  • リカルド・ペレイラ
  • ヴラディミル・ストイコヴィッチ
  • ベト
  • ルイ・パトリシオ

DF


MF

  • オセアノ・ダ・クルス
  • フランク・ライカールト
  • クラシミール・バラコフ
  • パウロ・ベント
  • パウロ・ソウザ
  • ジョゼ・ドミンゲス
  • ムスタファ・ハッジ
  • ルイス・フィーゴ
  • ミゲル・アンヘル・アングロ
  • マニシェ
  • ダニエル・プラニッチ
  • マラト・イズマイロフ
  • ウーゴ・ヴィアナ
  • ダニー・アルヴェス
  • アルベルト・アクイラーニ
  • シモン・ヴクチェヴィッチ
  • ミゲル・ヴェローゾ
  • マティアス・フェルナンデス
  • スタイン・スハールス
  • エリアス
  • ブルーノ・セザル
  • ウィリアム・カルヴァーリョ
  • マテウス・オリベイラ
  • アドリエン・シウバ
  • ラドサヴ・ペトロヴィッチ
  • ブルーノ・フェルナンデス
  • マテウス・ヌネス

FW

その他のスポーツ部門

上流階級によって作られたクラブだけあって、創設初期にはテニスや乗馬の他に、社交パーティやピクニックなども行われていた。

現在はハンドボール、陸上競技、フットサル(スポルティングCP)、体操競技、水泳、卓球、ビリヤード、フルコンタクト空手、重量挙げ、ローラーホッケー、柔術、空手、アマチュアレスリング、スポーツフィッシング、水球、ボクシング、テコンドー、柔道、クラヴ・マガ、カポエイラ、射撃、アーチェリー、チェス、サイクルロードレースの部門を持つ。

著名な選手に、陸上では1984年ロサンゼルス五輪男子マラソンで金メダルを獲得したカルロス・ロペスを筆頭にフェルナンド・マメーデ、フランシス・オビクウェル、ルイ・シルバ、ナイデ・ゴメス、自転車ではジョアキン・アゴスティーニョがいる。

脚注

参考文献

  • 市之瀬敦『ポルトガル・サッカー物語』社会評論社、2001年。ISBN 978-4784503957。 
  • 市之瀬敦. “41年前の歓喜よ再び「スポルティング、アレー!」”. スポーツナビ. 2007年6月3日閲覧。

外部リンク

  • 公式ウェブサイト(ポルトガル語)(英語)
  • スポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガル (SportingCP) - Facebook
  • スポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガル (@SportingCP) - X(旧Twitter)
  • スポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガル (@sportingcp) - Instagram
  • スポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガル (@sporting_cp) - TikTok
  • スポルティング・クルーベ・デ・ポルトゥガル - YouTubeチャンネル
  • Sporting CP at UEFA

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